菊地 一秀さん [ペリエ千葉 支店長](60代男性) 菊地 一秀さん [ペリエ千葉 支店長](60代男性)

菊地 一秀さん [ペリエ千葉 支店長](60代男性)

北海道帯広市出身。1987年に東日本旅客鉄道株式会社に入社 JR錦糸町駅長、JR成田駅長などを歴任し、2012年6月に株式会社千葉ステーションビルに入社。その後、監査部長、総務部長を歴任、2015年6月に千葉支店長に就任、現在に至る。

いずれまた、カムバックしてほしいと思っています。

千葉駅ユーザーであれば、誰もが一度は訪れたことがある“JR千葉駅直結”の大型商業施設であるペリエ千葉。駅と一体になっていることから、この場所から千葉パルコへ、という流れを経験した方も大変多いのではないでしょうか。そして、JR千葉駅は今年建て替えに伴い、11月20日に新しい駅とエキナカがオープン。そんな“変化の真っ只中”にいるペリエ千葉の菊地支店長にお話をお伺いしました。(2016年8月18日取材)

千葉パルコは千葉の中心市街地を活性化していくための「パートナー」のような存在。

「『業』として見る千葉パルコは、若者向けのファッションや雑貨を扱う店が多く、私どもも若い女性向けのファッション・雑貨などを展開しておりますので、そういう面では切磋琢磨してきた側面もあったと思います。しかし、私が見ているのは、中心市街地にある大型商業施設の競争というよりも、近年増えている郊外型のショッピングセンター、いわゆるアウトレットやインターネット販売の普及など、様々な場面で見られる消費行動の変化と「モノ」から「コト」消費への対応が課題だと思っています。むしろ千葉パルコなどの千葉市の中心市街地に存在する大型商業施設は、一緒に市街地を活性化できるパートナーだと思っています。なので、数年前から千葉市の中心市街地の大型商業施設の間で協力体制を結びながら様々な取り組みを行ってきました。スクラムを組んでいるイメージですね」

ペリエ千葉さんにとって、千葉パルコの存在はともに手を携えて地域を活性化していくための取り組みと役割を担う「パートナー」とのこと。時代の流れとともに、人の消費行動が中心市街地から、郊外へと移り変わっていく中で、街に彩りと活気を取り戻すため、様々なイベントを企画したりサービスを展開したりしいるわけですが、今後どういったビジョンを持って地域活性化を行っていくのか、菊地さんの構想をうかがってみました。

千葉市の玄関口として、そして千葉市全体を活性化していくための「起爆剤」としてのペリエ千葉。

「ご存知の方も多いとは思いますが、ペリエ千葉は来年以降も段階的にオープンする駅ビルの建て替え工事を行っております。新たな千葉駅が千葉市、あるいは千葉県の玄関口として活性化し、そこからシャワー効果で中心市街地の活性化につながる取り組みと役割をペリエ千葉は担っていると思っております。そのような役割として、お客様や地域の皆様に愛される駅ビルショッピングセンターとしての位置付けを確立できたらと考えております。それから、千葉市あるいは千葉県の魅力を発見・発掘したり、発信する駅ビルになるよう取り組んでおりますので、そういった意味でも、千葉市をより活性化していくための『起爆剤』になり、そこから千葉の中心市街地へ多くのお客様に回遊していただけるような存在になりたいという将来ビジョンがありますね」

JR千葉駅の東口を出てすぐにペリエ千葉のショップが立ち並び、ずっと歩いていくと、千葉のナンパ通り、そして中心市街地へと繋がっていきます。ペリエ千葉で買い物をして、中心市街地を回遊して千葉パルコへまたショッピングに行くという流れは、千葉市に来たことのある方なら多くの方が経験しているのでないでしょうか。そういった意味でも、地域を訪れる人の動線がどのように変化していくのか、注視していたいところですね。

市街地全体の活性化のためには、千葉パルコのようなシンボリックな存在が必要。

「私個人としても、千葉パルコを利用した経験はたくさんあります(笑)。島村楽器によく行きました。ギターを少々やっておりますので、ギターの弦や譜面台などを買いに行ったり、レストランフロアやファッション関係のお店にも時々立ち寄ったりしました。帽子を買ってみたりとか…。なので、今回閉館されるということは、非常に残念に思いますし、もちろん、県内各地から若者が集まるファッショントレンドの発信基地として40年という長い歴史もありますから千葉パルコのユーザーの方もとても残念に思われたと思います。いずれまた、どこかの時代に千葉市街地の活性化のために、形はどうあれ、またカムバックしていただきたいと思っております。商店街や個人商店を含む市街地全体が活性化していくためには、やはり千葉パルコのようなシンボリックな商業施設が必要だと思います。単なる「モノ」を売る商業施設間の競争ではなくそれぞれの知恵と工夫で新たな価値を『ともにつくりあげていく共創』という意味合いで、エリア全体で活性化していくための協力態勢、取り組みを行っていくべきだと思うんです。今回の千葉パルコの閉館は本当に残念ですが、いつかまた、戻ってきていただけたらと思います」

千葉の中心市街地である千葉銀座通りに40年間存在し続けてきた千葉パルコ。千葉の中心市街地の更なる活性化のためには、千葉パルコのようなシンボリックな存在が必要だと菊地さんは語っています。惜しまれながらも11月に閉館してしまう千葉パルコですが、いつかまた、ペリエ千葉さんなどの大型商業施設とともに、千葉の街を活気づける存在として戻ってきてほしいですね。千葉のこれからを託されたペリエ千葉さんの今後の展開にも注目が集まります。