山田 翔吾さん [ベンチャー起業家](30代)

千葉大学工学部出身、千葉県佐倉市に住む。現在は、次世代に必要な教育プログラムを企画・提供する企業「株式会社リアライズ」の代表取締役を務める。夢あふれる若手ベンチャー起業家。

カッコイイ服があって、
カッコイイ店員さんがいるっていうイメージでした。

30代にして会社を経営している山田さん。バリッとしたスーツを着こなし、若いながらも落ち着いた雰囲気を醸し出しています。佐倉市に住み、真面目な学生時代を送ったという山田さんは、千葉パルコに初めて足を踏み入れたのは大学生になってからとのことです。その後も、山田さんのキャンパスライフと千葉パルコは密接な関係にあったそう。大学時代の思い出を生き生きと語っていただきました。

「洋服を買わなきゃ」と思った時に、真っ先に思いついた場所。

「初めて千葉パルコに来たのは大学一年の頃ですね。大学に入ってキャンパスライフが始まったら、持ってる服がちょっと違う……、『この服じゃヤバいぞ』と思ったんですよ。洋服を買わなきゃ、と思って真っ先にパルコに来ました。パルコといえば、洋服を売ってる場所っていうイメージだったんですよ。普通は中学生くらいのころに初パルコなんですか? ませてますね(笑)。佐倉市に住んでいる僕にとって、千葉に行くっていうのはちょっとした遠出なんですよ。それ以外にも、千葉パルコにはいわゆるブランドショップがたくさん入っていて、カッコイイ服があってカッコイイ店員さんがいるというイメージがあったんです。だから、入ったら何か買わされそうっていう偏見があったんですよ(笑)。初めて千葉パルコに入ったら、ショップ店員さんに話しかけられて『うわ、こんなこと本当にあるんだ!』と思いました。それ以降時々来るんですが、やっぱり洋服を買うためですね。大体一人でぶらぶらして目に付いたものを買っていくっていうのが多いので。ブランドには詳しくないんですよ。あとはヴィレッジヴァンガードにも行きます。大学の友だちの誕生日パーティーをやるってなると、とりあえずヴィレヴァンにいくんです。でも友だちもヴィレヴァンが好きなので、プレゼントがかぶっちゃうこともありました(笑)」

オシャレへの目覚めは比較的遅い方だったと語る山田さん。大学生の頃に一番ファッションに敏感だった、という方も多いのではないでしょうか。山田さんにも、学生生活にはファッションへの強烈な動機づけとなる理由があったようです。

「こりゃ、オシャレを頑張らないといけないぞ!」と思ったきっかけ。

「大学には都市計画を学ぼうと思って入学しました。都市計画的な観点から千葉パルコを見ると、千葉パルコはターミナル駅である千葉駅から離れているんですよね。それにもかかわらず、たくさんの人が足を運んでいるっていうのは面白いですよね。そうだ、僕の入学した学科は、40人中女子が10人くらいなんですよ。その10人が全員かわいくて、『こりゃ、オシャレを頑張らないといけないぞ!』と思ったんですよ。だからパルコに行ったんですよね。好きな服の系統は、線の細い服や、体にフィットするような服です。大学の友だちに麻生くんっていう男子がいるんですけど、どうも服装の趣味が同じだったらしく、たまにファッションが丸かぶりしてる時があるんですよね。このファッションが大学で“麻生・山田系の服”っていう名前をつけられて、他の誰かが似たような服を着てると『お前、今日麻生・山田系の服じゃん』って言われてたりしたんですよね。そんな思い出があります」

千葉パルコの立地は、JR千葉駅からは歩いておよそ10分ほど。京成千葉中央駅からは歩いて4分くらいかかります。確かに、ターミナル駅から離れたところにあるのに賑わっているというのは面白い特徴ですよね。そんなターミナル駅から歩くのが面倒だ、という人のために、カラフルな色が特徴の「パルコバス」の運行も千葉の街の風物詩でした。

閉店のニュースを知って、嘘だと思って検索しました。

「千葉パルコが閉店するっていうニュースは、Facebookで知りました。最初は何かの冗談サイトかなと思ったんですよ。真偽を確かめるために検索したんですよ。そしたら新聞社のニュースサイトに載っていて、『あ、これ本当なんだ』と。びっくりしましたね。オシャレのオの字も知らない僕が初めてオシャレに目覚めて、服を買った場所がなくなるっていうのは、やっぱり寂しいですね」

山田さんの千葉パルコ歴はわずか数年ですが、そのファッションセンスを磨いた場所として、またそれによって友だちとファッションの話をしたこともあり、思い出深い場所になったようです。ブランドは詳しくないとのことでしたが、4階のメンズフロアを見て「あ、ここで買ったことあります」と幾つものショップを指差していました。閉店まであとわずかですが、これからも千葉パルコでファッションセンスを磨いてくださいね。