塩川 達也さん [飲食店経営](40代男性) 塩川 達也さん [飲食店経営](40代男性)

塩川 達也さん [飲食店経営](40代男性)

千葉市出身。千葉で創業48年の「まさむね」の現オーナーを務める。「季節料理まさむね」は地元千葉の海の幸、山の幸を多く使った創業48年の和食店。また、富士見町にある千葉野菜を取り入れた牛骨ラーメンと餃子が自慢のお店「らーめん鷹の羽」の経営も行っている。

祖母の代からゆかりがあるので、閉館してしまうことがとても寂しくて残念です。

温かみのある声と優しい笑顔が特徴的な塩川さん。生まれも育ちも千葉市で、千葉パルコオープン前から千葉の街の顔を知る生粋の“千葉っ子”だそうです。現在、地元千葉で「季節料理まさむね」と「らーめん鷹の羽」を経営されているパワフルな塩川さんがどのように千葉パルコと過ごしてきたのか、数え切れないほどの思い出を語っていただきました。

小学生の頃は、千葉パルコにずっと入り浸っていました。

「私は、生まれも育ちも千葉で、千葉パルコとの付き合いは非常に長いですね。『まさむね』というお店が今の場所に移ったのは、4、5年前の話なのですが、もともとは祖母の代から富士見町の葭川公園駅の近くにお店を構えていたんです。実は50年ちょっと前、まだ千葉パルコのある場所が田畑百貨店だった時に、私の祖母と母が店をスタートさせているんです。私の記憶の中で、一番古い千葉パルコでの記憶は、小学生の頃だったかな……? 確か、千葉パルコの7階だったと思うのですが、『王様のアイディア』というお店が入っていたんです。発明品のような、ちょっとバラエティーに富んだ便利なグッズが置いてあるお店があったので、そこによく遊びに行ったりしてましたね。私が小学生の時は、千葉パルコには目新しくて珍しいものがたくさんありましたし、両親が商売をやっていたのもあって千葉パルコに入り浸るような感じだったのを今でも覚えています」

千葉パルコの前身である田畑百貨店からゆかりがあるという塩川さん。現在千葉市で根強い人気を誇る「季節料理まさむね」の母体が築き上げられたのは千葉パルコのある場所からだったんですね。千葉パルコができてからは、数えきれないほど千葉パルコに通った思い出も、“千葉っ子”である塩川さんならではのお話なのかもしれません。そんな塩川さんが千葉パルコと一番近かった時代について伺ってみました。

友達のお兄さんが働くカフェで、サラスパを食べて感動した思い出があります。

「小学校高学年の頃、音楽に興味が出てきて、当時この辺りでレコードを買うことができるのが、千葉パルコくらいだったので、洋楽の輸入盤レコードも買い漁っていました。全米のヒットチャートものを聴くことが多かったですね。それと、友人のお兄さんが千葉パルコの3階にある『WAREHOUSE』というカフェで働いていたので、そこでサラダスパゲッティーを初めて食べて、『こんなに美味しいものがあるんだ!』と感動したことがありました(笑)。中学生になったら少しやんちゃになって、千葉パルコの地下1階に『クレープハウス・ユニ』というクレープ屋さんがあったので、そこでよくたむろしてましたね(笑)。生クリームいっぱいのクレープ食べながら縄張り争いみたいなことしてました(笑)。あと、DCブランドブームだったので、当時、学校をサボってお年玉を握りしめたまま千葉パルコのバーゲンに行ったりもしました」

塩川さんの小学生時代と中学生時代の思い出には、数多く登場する千葉パルコ。当時からオシャレな食べ物の代表格でもあるサラダスパゲッティーが食べられるとのことで、ファッションだけでなく、フードも常に最先端を往くオシャレな場所、それが千葉パルコだということが伺えます。塩川さんが子どもの頃からあった千葉パルコ。塩川さんの目には千葉パルコとは一体どのような存在として写っていたのでしょうか?

他の街のパルコにはない独特の魅力が千葉パルコにはあった。

「成人してからも、地元の仲間達と千葉パルコの屋上のビアガーデンによく行きました。私が通っていたのは、初期のビアガーデンで、バドガールが登場したのは結構最近のことなんですよ(笑)。ビアガーデンもそうですが、千葉パルコって結構独特なイベントや情報発信の仕方をしているイメージがあって、パルコバスも千葉パルコにしかない特色だなと思うんです。パルコのある街って、ちょっと都会なイメージがありますよね。千葉パルコは、千葉のランドマーク的な存在でもあると思いますし、やはり、祖母の代からゆかりのある場所でもありますから、閉館されると聞いてとても残念に思います」

千葉以外にも様々な街のパルコに足を運んでいたという塩川さんにとって、千葉パルコというのは独特の魅力のある存在だったようです。赤・白・青のパルコバスが千葉の街を駆け巡り、千葉の街に根付き、千葉の街と共に時代を歩んできた千葉パルコ。惜しまれつつ11月に閉館となりますが、閉館までに塩川さんの少年時代から今までの思い出を、是非千葉パルコでもう1度振り返っていただきたいですね。