久保 雄さん [美容師](30代男性)

ファッショニスタに圧倒的人気を誇るヘアサロン「Au-rouge nöma(オゥルージュノーマ)千葉店」の店長。サロン所属歴14年目の人気スタイリストであり、現在はインスタグラマーとしても大活躍している。

千葉パルコには、“ご縁”があるのかもしれません。

美容師という職業もあって、カジュアルで自然体でありながら、スタイリッシュな雰囲気を醸し出している久保さん。高校生のころはバンド活動に明け暮れていたこともあり、千葉パルコにはよく足を運んでいたそうです。久保さんにとって千葉パルコは、ショッピングの場所という存在を超えた、“ご縁”を感じる場所だそうです。久保さんのこれまでの人生にとって、千葉パルコとはどんな存在だったのでしょうか?

島村楽器主催のイベントに、よく出演していました。

「高校生の時にバンドをやっていてギターを弾いていました。その頃、タワーレコードの前にスペースセブンというレンタルスペースのようなところがあって、そこで島村楽器主催のライブイベントをやっていたんですよ。そのイベントは島村楽器の常連に声がかかって出させてもらうような感じで、毎回色んなジャンルのバンドが7〜8組くらい出てました。それにちょくちょく出演していましたね。自分が出演しない時でも、しょっちゅう観に行ってました。バンド仲間とはタワーレコードや島村楽器によく通っていました。仲間とは、スターバックスに行って、その後タワーレコードに行くっていうのがお決まりのパターンでしたね。今のように配信サービスがない時代だったので、片っ端から聞いてお気に入りを見つけるという。勉強熱心だったんです(笑)。そうやって出会ったLimp Bizkitというバンドは、仲間全員の好きなバンドでした。CD以外だと、HYSTERIC GLAMOURというファッションブランドが好きでしたね。そのショップ袋をどうしても手に入れたくてTシャツを買いに行ったりしました」

千葉の音楽を愛する人のご多分に漏れず、タワーレコードと島村楽器は久保さんの青春の思い出です。高校生ながらライブイベントに何度も出演しているほど音楽にのめり込んでいた久保さんの、青春の一ページに触れることができました。それ以降、千葉パルコには足を運んでいますか?

千葉パルコには、ご縁があるのかもしれません。

「うちの店(美容院)が13年くらい前に一度、千葉パルコの屋上でヘアショーをさせてもらったことがあるんです。ヘアショーというのはライブで髪の毛を切ったり、メイクもファッションもスタイリングしたモデルさんがウォーキングしたりというイベントです。その年に提案したいヘアスタイルやメイク、ファッションをトータルで魅せる場所という感じですね。ヘアショーは東京で大規模にやっていることが多いので、千葉でやったというのは珍しいかもしれないですね。そのときは誰だったか忘れてしまったんですが、お誘いいただいたんですよ。『やりましょう』って言われて、開催させていただいたんです。だから、千葉パルコにはご縁があるのかもしれないですね」

千葉パルコには不思議な“ご縁”を感じるという久保さん。確かに、人生の中でステージに立つ機会というのはそんなに多くないはずなのに、その場所がどれも千葉パルコというのは、実に興味深いですね。そんな千葉パルコは今年惜しまれつつ閉館してしまうのですが、久保さんはそのことをいつ、どこで知ったのでしょうか?

千葉パルコは、“千葉の中心地”という絶対的なイメージ。

「千葉パルコの閉店は、Yahoo!ニュースで見て知りました。もうびっくりですよ。『えー!』って感じです。千葉パルコには『千葉の若者の大きな中心地』という絶対的なイメージがあるんですよ。千葉駅からパルコに行くまでの間に古着屋さんとか美容院がたくさんあって、その導線の最終地点に千葉パルコがあるわけでしょ。それがなくなっちゃうから、どうするんだろうって。そのイメージがなくなってしまうのが辛いなぁと思います。千葉パルコには、最後まで盛り上がり続けてほしいですね」

高校生の頃にはバンドマンとして、美容師になってからはヘアショーの主催として、幾度となく千葉パルコのステージに立ってきた久保さん。久保さんにとっての千葉パルコは、ショッピングの場所としての側面と、自分の表現したいことを表現するステージの側面を持つ、特別な場所といえるのではないでしょうか。最後に、「最近はあまり千葉パルコに足を運べていなかったので、閉店までに千葉パルコに行って新しい側面を見つけたい」と締めくくってくださいました。