早野 太雅さん ［シェフ］（30代男性）

スラッとした出で立ちで、手際よく、魅せる調理を行う姿は、さながら料理の世界のアーティストのよう。美味しさはもちろん、見た目も提供の仕方も斬新でユーモア溢れるケータリングをお届けする「レストラン OTTO」でシェフとして活躍されている早野さんですが、料理の世界へ入ろうと決意した調理師学校時代に、趣味の材料を揃えるために千葉パルコに足繁く通っていたそうです。

調理師学校時代に、足繁く通った千葉パルコ。

「僕が一番千葉パルコとの距離が近かった時代は、調理師学校に通っていた時ですね。調理師学校に通っていた時は、９時とかに学校に行って、勉強して、実習して…。片付けとかもあるんで、帰りはだいたい18時とかでした。調理師学校に通っているから、僕も含めて同級生みんな飲食が好きで、学校が終わったあとはだいたいご飯食べに行ったり、朝まで飲みに行ったりして、次の日の朝ぐったりしながらも学校にそのまま行くなんて生活してました（笑）。それで、学校から近いというのと、自分が料理にとても興味があったというのもあって、千葉パルコの中にある色んな飲食店に入ってみたり、あとは、学校の友達のプレゼントをみんなで買いに行ったりしに千葉パルコに。それと、当時、僕はレザークラフトを趣味でやっていて、その材料を買いに行くためにもよく足を運んでいました。自分の好きなものを作ったり、友達に『こんなの作って！』って言われたのを作ったりしてました。今はもうレザークラフトはやっていないんですけどね（笑）」

学生時代は、レザークラフトが趣味だったという早野さん。当時は様々な雑貨やアクセサリーを作っていたそうです。料理人である早野さんですから、きっと手先が器用なのですね。また、千葉パルコには様々な飲食店があり、当時「料理人になりたい」と決意した早野さんの食への学びの場所ともなっていたようです。

千葉パルコは、自分の生活を彩ってくれた場所。

「当時の僕にとって、千葉パルコは、みんなで気軽に行きやすい場所というイメージがあって、何かあれば千葉パルコにみんなで行っていました。『ちょっとみんなで遊びに行こうか』っていう気軽さで入れる。あと、オシャレなファッションも趣味の物とか雑貨とかも、行けば揃っちゃう。それが僕にとっての千葉パルコのイメージでした。僕も、料理の世界に入るって決めていたんですけど、ガチガチに制約のある学生生活ではなかったので、料理のこともしっかり勉強しつつ、さっきもお話ししたように、自分の趣味でもあるレザークラフトの材料を買いに行く場所として、その当時の僕の生活を彩ってくれていた場所、それが千葉パルコでした」

当時の千葉パルコでの思い出は、やはり、レザークラフトの材料を揃えに行っていたことだ、と語る早野さん。好きで始めたレザークラフトが、当時の早野さんにとってとてもかけがえのない趣味になっていたのが想像に難くありません。当時の早野さんの中で、レザークラフトという趣味が早野さんの生活を彩る非常に大きな割合を占めていたようです。その趣味を続けていけたのは、千葉パルコがあったからとおっしゃっていました。

学生時代の趣味を千葉パルコでもう一度。

「実は、千葉パルコが閉館してしまうニュースは、このインタビューをきっかけに知ったんです。最初は本当にびっくりしたんですけど、閉館してしまうというニュースを聞いたら、さっきお話ししたような千葉パルコでの思い出や、当時の僕の生活模様を思い出します。なんだか、懐かしい気持ちが蘇ってきますね。でも、やっぱり僕の青春時代のシンボルでもあった千葉パルコが閉館しちゃうのは、とっても寂しい気持ちになります。沢山の思い出があるので…。閉館するまでに絶対行きたいですね。今すぐにでも行きたいです（笑）。千葉パルコに行ったら、とりあえず、学生の頃みたいに中をグルーっと回りたいですね。最近やらなくなってしまったレザークラフトも、千葉パルコに行くのをきっかけにまた始めてみようかな（笑）」

調理師学校に通っていた時のことを思い出して、「懐かしい気持ちになりました」とおっしゃっていた早野さん。惜しまれながらも、今年の11月に閉館となる千葉パルコですが、40年という歴史の中、多くの方の生活に、趣味に、ファッションに寄り添ってきました。今では、レストランのお仕事が忙しくて、レザークラフトをやらなくなってしまったそうですが、是非、閉館までに千葉パルコに来ていただいて、シェフとして活躍する今の早野さんだから作れるレザークラフトを作ってみて欲しいですね。